
20年 あなたと歩いた時間
第12章 君が生きた日々
真冬の普通電車は、中途半端な時間のせいで
乗客はまばらだ。
僕も要も、教科書やノートがたくさん詰まった
バッグを足元に置いて座席についた。
二人とも、昔とはくらべものにならないほど
長くなった脚を投げ出して、
想像もしなかったような話題で笑っている。
「不思議だな」
「ん?何が?」
要が真面目な顔をして、かばんから
ペットボトルのミネラルウォーターを
取り出しながら言った。
「おれと真緒、おまえとのぞみ」
「おまえと真緒は意外」
「だよな」
車掌が次は六甲、六甲と早口でアナウンスした。
ここで降りると、六甲山頂まで行く
ケーブルカーに乗ることができる。
「…大事にしような。お互い」
「そうだな」
「明日行く?学校」
「…行かね。全然寝てないから」
僕は、勉強のこと、学校のこと、友達のこと、
そしてのぞみのことで頭の中がいっぱいだった。
それは僕が望んでいたことだった。
乗客はまばらだ。
僕も要も、教科書やノートがたくさん詰まった
バッグを足元に置いて座席についた。
二人とも、昔とはくらべものにならないほど
長くなった脚を投げ出して、
想像もしなかったような話題で笑っている。
「不思議だな」
「ん?何が?」
要が真面目な顔をして、かばんから
ペットボトルのミネラルウォーターを
取り出しながら言った。
「おれと真緒、おまえとのぞみ」
「おまえと真緒は意外」
「だよな」
車掌が次は六甲、六甲と早口でアナウンスした。
ここで降りると、六甲山頂まで行く
ケーブルカーに乗ることができる。
「…大事にしような。お互い」
「そうだな」
「明日行く?学校」
「…行かね。全然寝てないから」
僕は、勉強のこと、学校のこと、友達のこと、
そしてのぞみのことで頭の中がいっぱいだった。
それは僕が望んでいたことだった。
