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20年 あなたと歩いた時間

第12章 君が生きた日々

「おい、流星。どうしたんだよ。クールなShooting starはどこ行ったんだよ!」

何もする気のなくなった暑い午後。
要の部屋のソファに力なく横たわる僕がいる。
要はコーラを2本持って足で部屋のドアを
閉めた。

「…おれ、自分が嫌いだ…」

のぞみと二人で行った花火大会は、
結構いい感じになれた、と我ながら思った。けどその翌日、のぞみと一緒に勉強していた
僕はのぞみのあまりにも普通な態度に、
自爆テロリストと化した。

「だから、何があったかまず言え。そんな弱気な流星を見たおれの気持ちにもなれよ。おまえに出会って初めて見る姿におれはどうしていいかわからねーんだよ」
「ん…」

要が本気でうろたえている。でも僕は昨日から
ずっと脱け殻みたいになっている。
今日は夏期講習も休んだ。
ことの顛末を詳しく要に話すと、一言、それは
恋の病だと言った。

「もうちょっと現実的な答えをくれ」
「『のぞみに焼きもち焼いてほしくて起こした行動があまりにも悲惨』病、かな」
「…あー、そんな感じ…」

なんであんなこと言ったんだろ。
のぞみに焦ってほしかったんだ、多分。
紺野と付き合うつもりはさらさらないけれど、
でもこのままのぞみが僕のことをただの
幼なじみとしか見てくれないなら、
別に紺野と付き合ってもいい。
思っていたより、悪いやつじゃなかった。
今まで周りにいなかったタイプなだけで、
話してみればちゃんと受験のことも考えてるし
真面目でいいやつだ。

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