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ドラクエらんど

第15章 ひなた王子

「なっ……」



コマンド画面を見て愕然とする。



何か魔法があればいいと思った。
でも現実はそう甘くなかった。



「なんだ、これは……」



しかも唯一使えるスキルが……



【みんなを見守る】



「ふ……ざけやがって……!!」



オレは思わず携帯を力一杯投げた。手元が狂い、勢い余ってグールの頭に命中してしまう。



「しまっ……」

『ガアァァァァァッ!!』



途端にグールは怒りを露にしてオレに襲いかかってきた。



「逃げろっ!」



オレはゆりの背中を強く押す。
奴の狙いはオレだ。



「人間を……ナメるなよっ……!!」



咆哮をあげながら奴が片手を振り上げる。そのスキをついて、オレはモップの柄を奴の心臓めがけて突き刺した──が、



バキッ……

「なっ……」



思ったよりも奴の身体は頑丈で、モップの柄は簡単に折れてしまった。



『ガアァァァァァ!!』

「──っ!」



オレの足はもたつく。



「危ないっ……!!」



瞬間、視界に奴の鋭い爪が見えた。




──やられる!!




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