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ドラクエらんど

第15章 ひなた王子

「ええ、それで……こちらの学校に連れてこられたんですけれども、教頭の部屋にはいくつかの段ボールがありまして。中には大量の携帯電話が……詳しい説明はなく、それをただひたすらとあるゲームに登録するという仕事でして…」

「!」

「"え、もしかしてこれ生徒の携帯じゃね?なんか犯罪の匂いがしね?"って一瞬思ったんですけれども…まぁ、あっしには関係ないですし、お金も貰えるし、言われた通りにしてたわけでして……」



ニート男の話を聞いて、オレたちは愕然とした。
全ては用意周到に仕組まれていたのだ。



「ざけんなっ……自分さえ良ければそれでいいのかよっ!」



オレはニート男の胸ぐらを掴んだ。



「やめなさい、ひなたくん。彼は何も知らなかったんだから、仕方ないわ」

「…っ…」



オレはニート男から手を離し、苛立ちながら壁にもたれた。



「あの……もしかして、これって……つまり現実とゲームがリンクしてるってことですか?」



ゆりが恐る恐る言葉を発する。



「ええ……そうとしか考えられないわ」

「!」

「そんな、馬鹿げたことっ……」



─いや、もうすでにこの状況が馬鹿げてる。
ゾンビなんて、この世にいるわけないのだから…。



「あっ…もしかしてあっしらも、現実ではナーヴギアを取り付けて部屋のベッドで眠ってるかもしれませんねっ。この世界は仮想世界って考えた方が納得いきます」



ナーヴギアとか言うなよ…
アニメオタクが。



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