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ドラクエらんど

第15章 ひなた王子

「…は? ドラクエ?」



スマホ画面を見ると、あの超有名なRPGゲームのオープニング画面が起動されていた。



「アプリ? なんでこんな時にドラクエなんか…」

「きっとあなたたちのスマホも同じ画面になってるはずよ」

「…え…」



オレたちはわけもわからず、スマホを制服のポケットから取り出した。
つくし先生の言った通り、同じようにドラクエのオープニング画面が起動されている。



「なんだよ、これ…ドラクエのアプリなんてインストールしてねぇぞ」

「私もです……」


オレとゆりは首を傾げる。



「やっぱりね……私たちは教頭にはめられたのよ」

「はめられた…?」

「先日『エリックス』っていうゲーム会社の営業さんが来てね…今までにないゲームの開発に成功したからって、教頭に勧めていたのよ」

「……」

「どうして学校にわざわざ営業にくるのか不思議に思ってたわ…これだけ有名なRPGゲームならユーザーはすぐ集まるでしょ?」



オレはつくし先生の話を聞きながら、ログアウトボタンを探していた。
覚えもないアプリで通信料を取られるのを防ぐためだ。



「ちょっと待ってくださいっ…これ、おかしくないですか?」



ゆりがドラクエ画面の英語のタイトルを指差す。



「…? DORA……」

「"G"が"C"になってるんです、"ドラゴン"ではなくて"ドラコン"になってるんです!」



ゆりにそう言われてハッとする。



「ほんとだ……これ、バグ?」

「バグではないと思います、だって会社名も似てるけど全然違いますから!」



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