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齧りかけの林檎

第12章 ● 君とお鍋 ♂side




「ごめんね、何もない部屋で。

 カーペット点けるから、

 そこに座ってて」




おれは肩にかけていた

小さなバッグを置いて、

部屋を見渡した。




「もっとピンクの洪水みたいな部屋想像してた?

 ごめんねー、ゲームとかも何もなくて」



彼女は眉を下げながら言った。

なんてことない会話をしてるのに、

彼女の表情から

何か痛々しいものを感じて、

おれがなにか出来る事はないのか、と思ってしまった。




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