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齧りかけの林檎

第12章 ● 君とお鍋 ♂side




暖房器具ないって言ってたけど、

そういう意味かな。




「うん、大丈夫だよ。

 早く中入らせて、寒いよー」




片手に持った袋は重くて、

手にすごく食い込むし、

寒くて余計に、食い込んだところが痛いし。




でも、そんなことより

彼女の部屋に入れることが

待ちきれなくて、

少し急かすようなことを言ってみた。




彼女はリュックから

ぬいぐるみのキーホルダーが付いている鍵を出して、

ゆっくりと部屋の鍵を開けた。




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