
齧りかけの林檎
第12章 ● 君とお鍋 ♂side
じゃあ少しだけ、と言った彼女は、
缶チューハイを2本、
カゴの中に入れた。
「お菓子はいいの?」
「そういうゆりさんが、お菓子食べたいんじゃないの?」
そんなことないもんと言いながら、歩き出すゆりさん。
ついて行くとそこは、お菓子売り場だった。
やっぱり自分が食べたかったんじゃん。
「ゆりさんは、やっぱりおれよりおこちゃまでちゅねー」
「どうせおこちゃまでちゅよー!」
って言いながら、
すっごく笑ってるから、
やっぱり、おれよりは
少し、大人に感じた。
