
齧りかけの林檎
第12章 ● 君とお鍋 ♂side
少しズレたことを言うゆりさんがかわいくて、
どんどん年の差のことなんて気にならなくなってきていた。
「はい、今後はハタチになるまで飲みません」
ほんとにー?絶対だめなんだからね!と念を押してくる。
「じゃあ、今日だけ試してみません?
おれは飲まないんで、年齢確認されるかどうか」
おれはゆりさんよりだいぶ年下だけど、
大人っぽく見られることを自慢したいがために
そんなことを言ってみた。
「本当はゆりさんだって、飲みたいんじゃないの?」
「うん、実はちょっと飲みたい、けど・・・」
