テキストサイズ

A heart and wound

第6章 揺らぎ

翔Side

翔「…にの?」

和「ん?」

飯を食い終わって、2人、ソファに並びテレビを見ていた。

翔「今日、ほんとにありがとう。

…俺、今日1人でいたら、悪い方に考えて、1人で抱え込んでいたと思うから。

にのがいてくれて、本当によかった。」

和「俺が、好きで翔さんと一緒にいただけなんだけどなぁ。」

そう言って、照れ臭そうに苦笑いを浮かべた。

…にののそんなとこに、いつも救われてるよ。

相変わらず、お礼言われるのは恥ずかしいみたいだけど。

翔「ふふ。じゃあ、そういうことにしとくよ。」

和「んだよー!

まあ、翔さん元気になったみたいだし、俺そろそろ帰ろうかな?」

翔「あ、え?帰るの?

…泊まっていきなよ。もう遅いし。」

つい、引き止めてしまった。

すると、にのは少し困った顔をして、

和「…ダメだよ。雅紀に悪いし。

それに、まだ帰れない時間じゃないしね。」

翔「で、でも、前は…」

…そう言った瞬間、固まったにのを見て。

…言った後で、後悔した。

なんとなく、俺たちの間でこの話題は避けてたから。

俺と、雅紀が付き合い始めて、にのとの関係が無くなってから。

…けど、なんだか謝るのも違う気がして。

和「はぁ…もー、本当…」

そう言って、頭を抱えるにのに声をかけた。

翔「に、にの?」

和「…なんで、そういうとこ鈍いのかなぁ?」

そういうと、くしゃっと髪を撫でた。

翔「…⁇」

和「…じゃーもう、今日は泊めてもらおうかな⁇

シャワー借りていい?」

そう言って、立ち上がった。

翔「あ、うん、もちろん!

タオルとか、着替えとか、後で脱衣場持ってっとくから。」

和「ありがと。」

そう言って、微笑むとバスルームの方へと消えていった。

俺も、立ち上がり、寝室へと移動した。

…俺の部屋に未だに残る、にのの私物。

その中に、当然、にのの寝る時用のスウェット類なんかもいくつかあって。

その内の1着をとり、下着やらバスタオルやらと一緒に脱衣場へと持っていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ