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A heart and wound

第6章 揺らぎ

いやいや、待て待て。

ダメじゃん、俺。

…大野さんの言葉に揺さぶられすぎ。

違う違う。

メンバーとして大切だから、だよ。

翔「…ありがと、にの。

もう、大丈夫。」

和「あー…そ、そっか。

よかった。」

そう言うと、そっと体を離した。

和「…お腹空いてない?飯作るよ。

風呂でも入っておいで?」

翔さんは、一瞬なにかを言いたそうにしていたけれど、

翔「…ん。ありがと。」

と言うと、バスルームへと向かった。

それを見送ってから、俺もキッチンに立った。

…俺が、翔さんの家で初めて料理をした時。

あまりにもキレイな、明らかに使われてないキッチンを、バカにしてた。

すると、翔さんはむくれてしまって、そんな姿がめちゃくちゃかわいかった。

…今はきっと、相葉さんがここに立ってるんだろう。

ここはもう、俺の場所じゃないんだもんな…

ずきん。

ダメだ。

こんなことで、傷付くな。

翔さんのためにも。

潤のためにも。

なにより…自分のために。

前に、進まなきゃ。

…いつまでも、立ちっぱなしじゃ、立ち止まったままじゃ、だめだから。

進むって決めたから…

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