テキストサイズ

A heart and wound

第6章 揺らぎ

翔「…あ、あと申し訳ないんだけど…」

和「来んなって言われても行くからね。」

俺の言葉を遮り、そう言われた。

翔「…まだなにも言ってないけど。」

俺がそう返すと、にのがふぅっ、とため息をついた。

和「わかってるよ、言いたいことは。…1人にしてほしいから、今夜の約束は無しにして欲しい、でしょ?」

翔「…なんで…?」

図星だったことに驚いて、声が少し裏返ってしまった。

和「俺、翔さんのことならなんでも分かっちゃうから。

…今日、仕事これだけでしょ?じゃあ、終わったら俺の車で翔さん家行こ。」

そう言って、俺の頬を掴むと、軽く引っ張られた。

翔「…どうしてそこまで…」

和「…今の翔さんを、1人にしたくないだけだよ、俺が。

大事だからね?…みんなのこと。」

そう言って笑った。

にののその言葉が、その気持ちが純粋にすごく嬉しかった。

その後も、しばらくにのの車で過ごした。

…その間、にのは何も言わずに、抱き締めて、頭を撫で続けてくれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ