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妖魔滅伝・団右衛門!

第5章 悠久と団右衛門

 
 欲に耽り自ら進んで楽しむ様は、まるで小慣れた遊女のようであった。

「ん、ああっ……」

 少年らしい慎ましやかな肉棒から、絶頂を示す白濁が放たれる。八千代は悠久の胸にもたれ、まだ中で激しく動く逸物へ身を任せた。

「そのように淫らな姿を見たら、嘉明はどう思うだろうな」

 悠久はそう呟き、下腹部に力を込める。八千代は中に注がれる雄に甘い吐息を漏らしながら、体を震わせた。

「――黙れ。儂をこのように育てたのは貴様だろう」

「おお怖い。長い間満たされなかった淫売を満足させてやったというに、今にも刺し殺しそうな目をしておる。まるで、心臓をえぐり取られ殺された嘉明の部下達のように――な」

「この程度の児戯で満足だと? 儂を散々食い物にした貴様の言葉とは思えないな」

 八千代は悠久を引き抜くと、乱れた着物を整え座り直す。色におもねる瞳は既に消え、冷たい眼が悠久に刺さった。

「それで、何故ここへ来た。儂は黙っていろと言ったはずだ」

「冷たい事を言うな、八千代。儂と八千代は兄弟――だろう?」

「何が兄弟だ、馬鹿馬鹿しい」
 

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