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震える息が漏れた。


「......では、お願いします」


上條くんが深々と頭を下げた。



お願い、します.....？



上條くんは一体何を彼にお願いしたんだろうか。


戸惑う私をよそに上條くんは勝手に話を進めていく。


「相模さん、とても緊張してるようなので野瀬(のせ)さんの会話力でどうにか解してやって下さい」



"相模さん"



初めて呼ばれた名字。


それもきっと上條くんの配慮。


でもそんな配慮でも締め付けられる心。


この人も上條くんもなんて、なんて欲張りなんだろう。


本当に自分が嫌になる。


「参ったな。少しプレッシャーをかけられてしまった」


苦笑いを浮かべる彼に上條くんは穏やかに笑う。


「そんなことないですよ。相模さん、酔うと必ず野瀬さんの話になるんですから」


彼が驚いた瞳を私に向けた。



言うところおかしくない？！