
双子姉妹・恋と愛
第3章 相対性選択
愛は、好きでピアノからバイオリンに転向した訳ではない。
恋には、わたしより才能があると悟って、このままでは比べられてしまうと思い愛は、仕方なくバイオリンに転向したのであった。 そのことは恋にも打ち明けていない。
キッチンから、二人を呼ぶ声で広太と恋は向かう。
テーブルには、大皿に盛り付けられたグリーンサラダ、パスタは魚介類のペスカトーレであった。
恋と広太はテーブルに付き、
「いただきま~す、」
「いただきます。」
広太は、ペスカトーレを一口食べて、
「旨い、愛ちゃん、」
「どうも、ありがとう。広太さんが喜んでくれるので作りがいがあるね、嬉しい。」
「はいはい、わたしはいつも食べなれているから、何も言わないけど、美味しいと思っているからね、愛ちゃん、」
「そんなの、わかっているから、恋ちゃん、」
「さぁさぁ、サラダも食べて、」
愛は、グリーンサラダを二人の小皿に盛り付けてやり、ドレッシングをかけてやる。
「どうぞ、召し上がれ、」
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