
双子姉妹・恋と愛
第3章 相対性選択
恋と愛は、広太にカミングアウトすることに決めて、二人は広太の居るキッチンに向かう。
「広太さん、隠していたことがあるの、実は私たち双子姉妹なの、」
恋と愛が並んでいる姿を見て広太は困惑していた。
瓜二つというか、二人の違いを探すほうが困難である。
広太が言葉を探している様子を見て、
「わたしが相恩恋です。」
「わたしは相恩愛でして、ごめんなさい、広太さん、」
「じゃ、ボクが初めに告白した恋ちゃんは、」
「はい、一度目と二度目のデートはわたし、恋です。」
「すると、原宿デートは?」
「わたし、愛です。」
「じゃさぁ、大学のキャンパスに来た相恩さんは?」
「はい、わたし、愛ですね。」
「えーと、恵比寿ガーデンホテルは?」
「はい、わたし、恋でした。」
広太の脳内は、二人の相恩さんの映像が浮かんでいたが、どのことをとっても違っていることがわからないでいた。かなり混乱している広太であった。
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