
シュールな関係
第17章 入れない世界 前半
「では時間がないので
簡単に説明いたします
ご挨拶する時は優雅に美しく
そして口元は微笑でいるかの様に
常に口角を上げていてください
慣れないドレスやヒールでも
俯いたり 辛い顔をしない様に
お気を付け下さい
会話は表情…言葉のトーン…
ジェスチャー…適度なメリハリを
お付け下さい
こちらのゲストは主に
自慢話をされる方が多いと
思われますが
否定的な表現は慎み
相手の目を見て あいづちをして
『ちゃんと聞いています』
という安心感を与えてください
オウム返しのように
「素敵でしょ」と言われたら
「素敵ですね」繰り返すのも
共感した意思表示になりますので
好感をもたれます
相手を見ない
よそ見をしない
話の途中で口をはさまない
否定はご法度ですので
お気を付け下さいませ」
ひょえっ~~
基本的な事かもしれないけど
わたしには
ハードルが高すぎるよ~!!
「手短ですが…
お分かり頂けたでしょうか?」
山本がメガネをクイッと上に
あげながら私を伺う。
「ぎっ…虚位!」
これか簡単な
説明のレベルなのか・・・
すでに混乱状態。
恐るべし秘書山本だ
でも言いかえればこれほど頼れる
助っ人はいないって事よね
うん。山本さんの言い伝えは
守らなければ・・・
すっかり信頼感を寄せるわたし
