
「俺は、男だ!クソ野郎」
第7章 助けて大悟…
よく考えてみたら、
大悟の蹴りは、
あのドアが壊れるくらいの力だ。
それを淳兄のお腹にと思ったら
少しゾッとした。
大悟って本当…凄い。
「岬、大丈夫か…?」
眉を八の字に曲げながら
心配そうに俺に問いかけた。
俺は、コクンと頷く。
今、声を発してしまえば
変な声が出てしまうかもしれない。
「それならいいけど…。あっこれ被っとけ。…エロい顔してるから」
後半部分なんて言ったか聞こえなかったが
大悟は、俺の顔を隠すようにパーカーを被せた。
…もしかして、泣き顔を
隠してくれてるのか…っ?
大悟の優しさに感動した。
俺は、今あのキャンディのせいで
頭が上手く回ってないけど
これならわかる。
「大悟…っ。ありがとう…」
掠れた声でパーカー越しに礼を言う。
「…気にしなくていい。俺は、お前のヒーローかつ、王子だからどこでも助けにかけつけるよ。」
「ふっ…なんだそれ」
なんて、意味のわからない言葉が
こんなにも温かく感じるのはなぜだろう。
