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ワタシの履歴

第35章 複雑②

「輝ちゃん、真面目にスキなんだ。付き合って貰えないかな?」

私の目を真っ直ぐに見ている。

なぜだろう…私はちゃんと壁を作ってたはず。

それに、シーズン始まる前に、彼氏がいる事を私は伝えていた。

なのに洋君は、なぜ告白をしたんだろう…

しなければ、もしかしたらこれからも一緒に滑ったり出来たかもしれない。

残りの今シーズンも…来シーズンも…

「…ありがとう。でもゴメン。私、洋クンは友達としてしか見れない…」

私は、思わず目を反らしてしまった。

「…うん、分かってた」

洋君のこの言葉に少し驚き、彼を見た。

すると彼は、笑顔だった。

「…え?」

「なんとな~く、ね」

残念そうな笑顔に変わった洋君は続けて言った。

「なんとなく…前と態度違うな~って思ってたから。避けてるとまではいかないけど、一歩引かれてるの分かってた」

「…そっか…ならなんで?」

「ハッキリさせたかったんだ。彼氏の話も聞いてたけど…輝ちゃんは余りスキそうじゃなかったから」

『!?』

「そ…んな事無いと思うけど…」

洋君は何か言いたげだったけど、きっとそれとは違う言葉を言った。

「…そっか。まぁでも、俺はもうココに来るのはやめるよ。どっちにしても、来年は余り滑れなくなりそうだし」

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