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ワタシの履歴

第35章 複雑②

それからも、洋クンからのメールは頻繁にあった。

遊びの誘いのメールももちろんあった。

だが、私は温泉旅館に住み込みをしているのを理由に、それを全て断っていた。

そう、いくら住み込みとは言え、週1日の休みはあった。

だが、群馬からわざわざ東京に出て遊ぶなんて、私には面倒くさくて仕方ない事だった。

それに、洋クンは悪い人では無いと思ってはいたが、【スキな人】になる事は無いと思った。

そして、【友達】になる事も無い、と。

キスされそうになって、【会いたく無い】と思ってしまうかもしれない…と思っていた私は、【会いたく無い】とまでいかなくても、【会う必要は無い】と思うようになってしまったみたいだ。

そうだとしても、縁を切りたいとまでは思わなかった。

一度、一緒に滑ってみたかったのだ。

私は、ホームゲレンデで元・夫の龍平やその職場のスキーヤーと、自分も入っているクラブの仲間としか滑った事が無い。

だから、他のスノボ友達…ではなくても、スノボをやる人と滑ってみたかったのだ。

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