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ワタシの履歴

第32章 本音

昼間はずっとそんな状態だった。

でも夕方になり、ふっと気付いた。

『今日は仕事なはずだった…じゃあ電話は夜か』

そう気付いたら、緊張はやわらいだ。

でも相変わらず整理はつかないまま、夜になった。


夜、電話するならたいてい22時半を過ぎてからだった。


時間は23時頃、電話が震えた。

「もしもし」

「あ、俺だけど」

「うん」

「…電話出てくれてありがとう。…あの時は無理矢理ゴメン…」

「…」

「でも、その事自体には謝りたくない…だって気持ちはちゃんとあったから…」

「…?」

「俺、輝子の事好きだよ…ずっと前から」

「…は?彼女居るじゃん、何言ってるの?」

「彼女は…確かに居るけど…彼女は…ん~…良く分からないんだ」

「どういう意味?」

「もう5年以上付き合ってるけど…ここ何年は好きだかわからなくて」

「ただのマンネリでしょ?」

「そ~なのかな~?でも結婚したいと思わないんだよ。こんなに長く付き合ってて週1で会ってるのに」

「だからただのマンネリでしょ」

「…でも輝子の事は好きなんだよ…だから彼女とは友達になっちゃった感じなのかなって」

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