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大宮ピンク変

第6章 完結変

あんな愛おしいものが、実際には存在しないなんて。



う。

俺は不意の吐き気に飛び起きた。

気持ち悪い。

トイレに駆け込むと、間もなく嘔吐。

「大丈夫かカズ、つわりか?」

大野さんがついて来てくれる。

つわりって、夢の続きかよ。

そんな訳ねえじゃん。

なんか変なものでも食ったんだろ、思い当たらねえけど。

とりあえず、冗談には冗談で返す。

「責任取って結婚してくれる?」

「結婚は分かんねえけど子供の面倒は見る」

大野さんは真剣な表情を崩さない。



何だ、この空気?

「…男が妊娠する訳ねえだろ?」

「何で?」

何でって、お前。

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