テキストサイズ

大宮ピンク変

第6章 完結変

呆気に取られるが、すぐ大和を取り返すため男の腕に掴みかかる。

が、すぐもう一人の男に羽交い絞めにされる俺。

「母ちゃん!」

「大和!」

男が、大和を抱えたまま車に乗り込んで行く。

「お前らばっかり幸せでズルいじゃん」

…車の中から潤くんの声がした。

「潤くん?」

「俺にも幸せを分けてくれよ。大切に育てるから大和は俺にくれ」

アスファルトの上に突き飛ばされる俺。

その隙にもう一人も乗り込み、車は急発進して走り去った。

「待ってよ潤くん、大和を返せ」

大和!

俺は自分の叫ぶ声に驚いて目を開けた。





そこは、夜の闇と寒気に閉ざされた静かな空間だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ