テキストサイズ

うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第11章 予約優先だから

「むぅ!」

1階から2階への階段の踊り場で、蘭が慌てた様子で駆け寄って来る。


「てーそー大丈夫?」

「貞操?」

「うん、危機でしょ?」

「は?」

真剣な蘭の顔に、むぅは怪訝な顔を深めた。


「大丈夫?」

「あー、大丈夫」

「良かった」

それが何なのかはわからないけれど、無事だと聞いて嬉しそうに笑う蘭。

久しぶりに見る蘭の笑顔に、むぅの胸が騒いだ。


(うわ、ヤベ…期待すんな、俺!)

振られた身で、いつまでも女々しいなと自嘲しながらむぅは蘭に背を向ける。

「じゃ、な…」

歩き出すむぅの、テキストを持った腕がグッと後ろに引かれる。


「予約入れたのに!」

半泣きで、蘭はむぅの腕を掴んでいる。


「予約?」

「秘書の裕貴くんに」

「は? 秘書?」

「うん、放課後のむぅのスケジュール空けてもらったの」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ