テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

「役者っつっても、たいしたもんじゃねえんだ。何せまだ大部屋だからな。でも、いつかは一人前の立て役になりたいって、これでも真面目に頑張ってるってところかな。到底、役者だけでは食ってけねえから、針灸なんてやってるってわけよ」
 なるほど、それで針医は副業というわけか。小紅はひそかに納得する。
「針医の仕事だって、すぐにできるものじゃないわ。どこで憶えたの?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ