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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

「今、何て言ったの?」
 栄佐は笑いながら繰り返した。
「舞台役者」
「ええっ」
 素っ頓狂な声を上げた小紅を栄佐は愉快そうに眺めた。
「栄佐さん、役者だったの!?」
 小紅もやはり若い娘だから、役者と聞くと興奮する。
「栄佐っていうのも芸名?」
「まさか。ちゃんと別の名があるさ」

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