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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

「何ていうの? 教えて」
「色々と知りたがり、聞きたがりのお嬢さんだな」
 栄佐は笑う。
「俺の役者名は板東碧天」
「板東―碧天」
 あれ、どこかで聞いたことがある名前よね。小紅は首を傾げた。記憶のどこかに引っかかっているのだが、あとちょっとのところで思い出せない。そんなもどかしさを感じつつ、小紅は更に記憶の糸を引っ張ってみる。

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