テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

 そこまで考えて、小紅は頬に朱を散らす。
 私ってば、何で、こんなにこの男が気になるの? それでもなお好奇心には勝てず、つい聞いてしまう。
「栄佐さんは幾つ? 針医は副業だって昼間に聞いたけど、本業はどこで何をしてるの?」
「おいおい、そんなに立て続けに訊かれても、応えられねえよ」
 栄佐は苦笑いする。
「順番にいくぞ。俺の歳は二十三、本業は舞台役者」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ