テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

「ちょっと今、良いか?」
 小紅は少し躊躇った。栄佐が準平のように女を慰みものにするような男だとは思わないけれど、やはり、時間が時間である。一応、お互いに独り身だし、こんな夜分に男を家に入れて良いものかどうか思案したのだ。
 小紅の心を見抜いたように、栄佐は肩を竦めた。
「大丈夫だよ、別にお前をどうこうしようとか妙な下心があって来たわけじゃねえから」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ