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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

 もちろん、早婚の当時、十五という年齢はけして嫁ぐのに早すぎはしない。その年で既に母親になっている娘も少なくはないのだ。そんな同年齢の娘たちに比べれば、小紅は我が儘なのかもしれない。 
 それに、難波屋で準平に陵辱されそうになったことは、小紅に大きな傷を残した。あれ以来、若い男に近づくだけで恐怖心を感じるようになり、触れられでもしようものなら、悲鳴を上げるほどの恐慌状態に陥ってしまう。

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