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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第27章 第二部・第六話【春咲く花】 逢瀬

 栄佐は用心しつつ自分が泊まっていた部屋まで戻り、二階の窓枠にしっかりとそれを結びつけた。更に、その紐をつたって器用にするすると地面に降り立ったのだ。
「良いか、俺が降りたら、すぐにお前も同じようにして降りるんだ。愚図愚図してたら、店の連中に見つかっちまうから、できるだけ早く気を付けて降りてくれ」

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