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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第36章 ☆*♪ X’mas short short *last*

「あっ!! いた!!」



女の子が、クリスマスツリーの麓を指さした。



「どこ?」

「あれ!! 帽子ふたつ!!」

「あぁ、ニット帽の2人ね」



隼人は女の子を肩車したまま、彼女の見つめる先へと足を踏み出す。


周りを見渡して、ビクビクしながら私もその後に続いた。


多くの人がそれぞれの方向へ行き来する中、かき分けるようにして進んだその先に


クリスマスツリーにカメラを向けたままの、2人の男女の後ろ姿が見えてきた。



「パパー! ママー!」



隼人が女の子を肩から降ろすと


一目散に、2人を目掛けて飛び込んでいく。



「パパもママもおバカ~~~!!」

「あ、あれ……?」



きっと、いなくなってたことに気付いてなかったみたい。


女の子が抱きつくと、振り返った両親は目を見開いた。



「あんた、どこ行って……」

「あのね、かたぐるましてもらったの!!」

「……え……?」

「…………!!」




………目線を上げた2人が、あっと驚く顔をした時には



隼人は、私の手を繋いで



そのまま、クリスマスツリーと逆の方向へ歩き出していた。

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