
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第35章 ☆*♪ X’mas short short *3*
次の瞬間
「…………!!」
夏輝さんの手に、背中を引き寄せられて
ベンチに座ったまま
私の体は、彼の腕の中にすっぽりと包まれた。
「……よしよし」
「………!」
「いい子、いい子」
「………っ」
「頑張ったな」
………大切な宝物を、抱きしめるように
夏輝さんの大きな手が、私の頭を優しく撫でてくれる。
ほんのりと煙草の香りが漂う、その体はとても温かくて
トクントクンと、大きな鼓動が耳に伝わってきて
「…………っ」
………止めたはずの涙が
あとから、あとから溢れてきてしまった。
「いいぜ、もっと泣きな」
「…………!」
「泣いて、全部忘れろよ。
あんなガキ、記憶から抹消すればいい」
そう言った夏輝さんの手が、さらに強く私の体を抱きしめてくれたから
もう、涙でぐちゃぐちゃで
何も考えられなくなってしまう。
