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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第35章 ☆*♪ X’mas short short *3*

もう、無我夢中で


煙草を持った夏輝さんの手を、ぐいっと引き寄せた。



「体も心も寒くて、冷たくて!
凍え死にそうなんです!
ものすっごく人肌恋しいんです!!」

「…………!」

「いつか、じゃなくて!
私は、今!!
誰か……に……」



………そう叫びながら、だんだん悲しくなってきた。


さっき……千夏の幸せを心から願ってるって言ってたけど


今……相手が女って時点で、対象にならないって言ったけど


学祭でカミングアウトした通り


夏輝さんの想う人は、彼だけであって


だけど、彼の想う人は


私の親友、ただ1人だけであって


この先も、この人の片想いが報われることは………



「……………」



私が突然黙りこんだので


夏輝さんの手を握ったまま、暫く沈黙が続いていたけど



「……はぁ……」



小さく溜息をつかれて、ビクッと体が震える。


いたたまれなくて、ギュッと目を瞑ると………




「ゲイに抱きしめられたって、嬉しくも何ともねぇだろ?」


「…………!」


「……ま、いいか。

千夏も心が落ち着くって、言ってたことあったし」

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