テキストサイズ

♡*:。.rena's world story.。:*♡

第35章 ☆*♪ X’mas short short *3*

「………泣くなよ」



夏輝さんはバツが悪そうに、私から目を逸らす。



「……俺は、あいつらと違うから

こーいう時、女の涙がどうしたら止まるかなんて分かんねぇっつの」


「…………!」



ぶっきらぼうにそう言いながらも


自分の首からマフラーを外すと、私の膝の上にポンッと投げてきた。


………その精悍な横顔が、赤と緑の灯りに照らされて浮かび上がる。



「……蓮せんせい以上の人が
この先、本当に現れると思いますか?」



夏輝さんの温もりが残る、カシミヤのマフラーを首にかけながら


号泣した自分が恥ずかしくて、思わずそんな質問をしてしまった。



「お前も他の奴らも、蓮を崇め過ぎなんだよ。
神じゃあるめぇし」



夏輝さんは、ハァ~ッと深い溜息をつく。



「……でも、実際いないですよ。
うちの大学イケメンは多いけど、ハートの熱い男は……」

「どんだけ狭い世界で生きてんだお前は。
海を渡れば、イイ男なんていくらでもいるぜ」

「…………!」

「蓮やヒメなんて一瞬で霞む。
ま、ユーリは別格だけどな」

「…………」

「世界中どこを捜しても、あいつ以上の男はいない」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ