テキストサイズ

♡*:。.rena's world story.。:*♡

第35章 ☆*♪ X’mas short short *3*

怒っているような、鋭くて深い瞳。


涙が溢れて、視界がぼやけて、よく見えなくなってしまったけど


だんだんと、千夏と同じ優しい色に変わっていくのが分かる。




「………自分を大事にしろ」




夏輝さんは、穏やかな声で続けた。




「周りがどうであろうと、親友に恋人が出来ようと、関係ねぇよ」


「…………!」


「誰かに合わせようとしなくていいんだ。

いつかきっと、本当に心から好きだと思える人に出逢えるから」


「…………っ」


「………焦らなくて、いいんだよ」




………周りの空気は、こんなにも冷たいのに


心の奥から、熱い何かが込み上げてきて



「……っ う……っく……」



もう、涙が止まらなくて


人目も憚らずに、私は声を上げて泣いてしまった。




………羨ましかったんだ。




ユーリさんも、千夏も



蓮せんせいも、同じ名前の親友の彼も



水泳部の皆も、同じ学部の友達も



恋人がいる人達は、私には無い、キラキラした何かを放っているから




………同じように




私も、みんなと同じようになりたかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ