
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第32章 ♥隠れて甘いkissをして/propose2
隼人の熱い眼差しと、アンジーと立花の呆れた視線に挟まれて
私は顔を伏せるしかない。
「こらこらアンジー。
香ちゃんがいないからって、彰くんにベタベタするんじゃないよ」
追加のボトルを持ってキッチンから戻ってきたシゲさんが、2人の姿を見て溜息をつく。
ワインを飲む立花にぴったり寄り添い、その肩に頭を乗せたアンジーは、シゲさんをキッと睨んだ。
「アタシの唯一の癒しを奪うんじゃないわヨ!
今の芸能ニュース見たでしょ!?
あのコメントをこのエロガッパに言わせる為に、アタシがどれだけ苦労したと思ってん……」
「香ちゃんのエステ、何時に終わるんだっけ?」
アンジーの嘆きが終わらないうちに、シゲさんからワインを受け取った隼人は
私のグラスに注ぎながら、立花に話しかけた。
「これから電車乗るってメールきたから、あと30分くらいじゃねーかな。
駅に着いたら迎えに行ってくるよ」
「あぁ、分かった」
「……それよりさぁ」
グラスを隼人に向けて、立花が続ける。
「隼人からの結婚祝いがブライダルエステってことに、香は感激してたけど
この世とは思えない、天国だって言ってたんだぜ?
この部屋の夜景にも慣れちまったみたいだし……
あまり現実とかき離れた世界に連れてくの、やめてくれよ」
立花の切実な訴えも、彼には響かない。
隼人はにっこり笑い、立花のグラスにワインを傾けた。
