
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第30章 ♥隠れて甘いkissをして/wedding ceremony
「…………!」
アンジーがウインクして、みんなが一斉にスクリーンに注目すると
切ないラブソングに乗せて、historyという淡い文字が浮かび上がってきた。
「……いつの間に、こんな披露宴の定番みたいなの作ってたんだよ」
隣りで隼人が呟く。
アンジーが言った通り、その道のプロ達が作ったって事がはっきり分かる
クオリティーの高い映像の始まりに、私の胸はドキドキと高鳴りだした。
さっきまで騒いでいた全員が、一気に静まりかえってスクリーンを見つめる。
………冒頭は、私が生まれた日の写真から始まって
友人が少なく寂しい学生時代だったのが、嘘かと思うくらい
編集の力によって、ドラマチックに展開されていく。
「…………っ」
………ううん
そうじゃない………
音楽や映像の力ももちろんあるけれど
重ねられていく写真の中で
私の周りには、いつも3人の笑顔が映っていた。
誕生日のロウソクを吹き消す、私に向けて
父が嬉しそうにカメラを構えている。
母が4等分にケーキを切り分けている隣りで
弟がニヤッと笑いながら、生クリームを指ですくっていた。
