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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第30章 ♥隠れて甘いkissをして/wedding ceremony

「……隼人、ごめんね……」



まるで大道芸でも見ているかのように、隣りで笑い続ける隼人。


私は溜息をつきながら謝った。



「この騒動のきっかけは、私の両親からだから。

こうならないようにって、ストッパー役になるはずだった弟まで……

もう1回、落ち着いてもらうように言うね」



香ちゃんの髪飾りを頭に乗せて、従業員の人と一緒にハワイアンダンスをしている弟。


プランナーの人を呼ぼうした私の手を、隼人がきゅっと握った。




「いいよ由宇。

俺、今すげー楽しい。

お前の家族って、本当に面白いな」


「でも………」


「由宇の両親の、あんなに楽しそうな笑顔を見ることができたんだ。

こんなに嬉しいことねぇし、それが目的だったんだから。

かなり満足」


「…………っ」




隼人が優しく微笑むから、胸がきゅうっと締めつけられる。


……式が始まる前に、隼人が言ったシゲさんへの想い。



………お父さんって呼びたい………



その願いを叶えるなら、私もこの場が1番良いと思った。


だから、式の最初からそのチャンスを今か今かと狙ってたけど


………目の前は、この惨劇で


タイミングも何も、無くなっちゃったじゃない………

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