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第29章 ♥隠れて甘いkissをして/立花と香

「隼人、お帰りなさい」



リビングのドアを開けた隼人の元へと駆け寄っていく。


電気を消した広いリビングは、夜景の灯りだけでぼんやりとしていて


彼の表情は見えないけど、黒いジャケットの間から、シルバーのインナーがキラッと光った。



「 “ お仕事 ” お疲れ様。
思ったより早かっ……!!」



………え!?



「は、隼人……?///」



言い終わらないうちに、私の体はふわりと持ち上げられて


隼人はそのまま、ソファに進み腰を下ろした。


私、膝の上に乗せられたままなんだけど……


お、お姫様だっこ……!///



「ど、どうしたの……?」

「……………」



何も言わない隼人の顔を、恐る恐る見ようとすると


その直前、背中に回された片手で、ぐっと引き寄せられた。




「由宇」


「……うん?」


「由宇」


「………!」


「……由宇……」

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