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第29章 ♥隠れて甘いkissをして/立花と香

side 由宇


日付が変わった、午前0時。


リビングの照明を落として


私は一人、出窓のカウンターに腰掛けて夜景を眺めている。



「……ふふっ♡
隼人早く帰って来ないかな」



独り言を呟いてしまうほど、ワクワクした気持ちが抑えられない。


キラキラ輝く光の粒を見つめながら、手に持った映画の台本を握りしめた。


香ちゃんと終電前に別れて、シゲさんのBARに顔を出すと


シゲさんはただ一言、“ 最高に面白かったよ ” と言って笑ってくれたから


カンの冴える隼人なら、すぐに気付いたよね。


素人の下手な演技だったけど、少しはビックリしてくれたかな?


香ちゃんのノリに乗って、咄嗟に思い出したセリフ。


暗記してたこと、ちょっとだけでも褒めてくれるかな……///



「………!♡」




ちょうどその時、玄関を開ける音が聞こえて


私はウキウキしながら近付いてくる足音に耳を傾けた。


……そう、この時までは


私、浮かれていたんだけど………


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