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第29章 ♥隠れて甘いkissをして/立花と香

は、隼人が本気でやられてる……


心臓がえぐられるような、全身が沸騰するような


生きていけないと言った隼人から、究極な絶望感が本当に伝わってきて


それなのに最大限の色気が溢れ出ていて、なんかもう体が震える。


俺の隣りで微動だにしない翔太も、きっと同じに違いない。


だけど


そんな熱くなってる俺達と対照的に……



「隼人、馬鹿なのかね?」

「………!!」



シ、シゲさんが馬鹿って言った……!?


唖然とする俺と翔太の間をすり抜けて、シゲさんがアンジ-の横に並ぶ。



「由宇ちゃんと香ちゃんのちょっとしたパロディーじゃないか。
2人とも本気で怒ってるわけじゃないことくらい、分かるだろう」

「シゲちゃんの言うとおりだわ。
なに真面目にショック受けてんだか」



シゲさんと同じ、呆れて白い目をしたアンジーが頷く。



「大体隼人も彰も、大袈裟に考え過ぎなのヨ!
これは仕事の一環なんだし、何も後ろめたいことなんて……」

「アンジーさん」



話を遮って、ずっと黙っていた翔太が口を開いた。

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