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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第29章 ♥隠れて甘いkissをして/立花と香

………いい大人5人が


テーブルの上の携帯に目線を落としたまま、誰1人として発言することができないのは


“ もうダメかもしれない ” と言った咲原の言葉が


悲しげで、でもどこか妖艶で


心臓を突き破るくらいの威力に満ちていたからだ。


………何よりも


神の領域に君臨する、何事にも動じないカリスマが


さっきまで顔色ひとつ変えずに、自分を理解していると豪語した男が


残りの3人と全く同じ、驚愕してる様子を隠せないでいる。



「……由宇、今どこ?」



沈黙を破って隼人がやっと声を出すと


電話の相手が本来の持ち主に戻った。



『隼人さん、奥様このままお借りいたします。
終電までにはちゃんとお返ししますので、ご心配無く♡』

「…………!」

『あと、立花先輩に伝言をお願いします。
“ 帰ったらお仕置きですから ” と、一言だけ』

「…………!!」

『あ!咲原先輩、香も!
ビール追加でお願いしま~……』



……店員への注文を、最後まで聞き終わらないうちに


電話が切れた。

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