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闇の王と光の騎士

第16章 闇の王の粛清

「死ぬ前にいいことを教えてやるよ……魔王の封印を解いたのはな……俺なんだよ……」

月影だけに聞こえる程度の小さな声で囁いた。

「なっ……!?」

衝撃的な言葉に月影は言葉を失う。

「お前、魔族と人間の共存を目指してるんだってな? けどそんなこと、ずっと前から俺はやってるんだよ……
魔族という人類の敵を作り、憎しみや怒りを魔族に背負ってもらう……そして魔族たちは忌まわしい革命軍とやらも倒してくれるんだからな……便利な奴らだよ……正に人間と魔族の共存、だろ?」

「貴様……」

「魔王は殺さずに生かしておくつもりだった……馬鹿が殺しちまったみたいだけどな……魔族の力を弱めて、それでも人間の脅威だと人々に思わせておくためにな……」

「ふざけるな……魔族はお前の道具じゃない!!」

「道具だよ。王国には対魔族ガスがある。それに魔導師団もな……俺たちは魔族なんて恐れずに暮らしていけるんだから」

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