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闇の王と光の騎士

第16章 闇の王の粛清

心を乱されたまあやだったが、既に落ち着きを取り戻していた。

両掌をはすに構えたその姿勢は植物のような静寂さを醸し出す美しさがあった。

完全なる静の構え。
そこには寸部の隙も見受けられない。

下手に動けば即座に撃つ緊張感が漂っていた。

デタラメに動き回り戦う『無流派』のみぃみぃもさすがにその殺気だった気配には仕掛けるのを躊躇う。

「さすが俺の見込んだ女だ……私生活と違い構えには隙が全くねぇな……」

「下らないことばかり言ってないで攻めてきなさい!!」

「いやいや……攻めたら殺られるだろ、これ……」

「来ないならこちらから行く!!」

まあやは地面を蹴り、飛び込む。
その頭の高さを変えないスライドするかのような滑らかな動きは距離を見定めることが難しい。

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