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闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

「ちっ……」

一撃貰ってようやく火がつくが、もう遅い。

反撃に転じようと身体を起こしたところに強烈な右アッパーが入った。


「ブホッ……」

強烈な一撃は月影の口から胃液を吐き出させた。

「終わりか、月影……」

「これからだ……」

月影は剣を抜き、立ち上がる。

「そうだ……そうこなくっちゃな……」

TOMは満足げに笑い、手に鉄の爪を嵌める。

拳での殴りあいと違い、剣での戦いは一撃を狙う緊迫したものだ。

「お前は俺には勝てないんだよっ!!」

勢いを失いたくないTOMは間髪いれずに鉄の爪で引っ掻くように振り抜く。

「隙っ!!」

月影は屈んでそれを避けると素早く剣を突き上げた。

「うわっ!?」

咄嗟にもう片方の手でガードするが受けきれない。

月影の剣は人狼の胸元と肩を斬った。

しかし入り方が不十分なため、大きなダメージは与えられない。

「やるねぇ……お前と戦うとワクワクしてくるよ……」

顔に飛び散った血を舐めながらTOMは不敵に笑う。

「ああ……俺もだ……」

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