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闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

足元の悪い砂漠だけに戦い方もそれにあわせたものが必要とされる。

「どうした? 口だけか? 早く来いよ?」

安いTOMの挑発に乗るほど冷静さに欠ける月影ではない。

相手との距離を考えながら出方を伺う。

「来ないならこっちから行くぜ!!」

しかし戦いとは冷静なものだけが有利とは限らない。
時として勢いが要求される。

TOMは軽快なフットワークで左右に小刻みに揺れながら右ストレートを放つ。
月影は冷静にその拳をガードする。

間髪いれずに左フックが繰り出され、月影はバックステップでかわす。

右フック、左ストレート、右ジャブ、右左ワンツーパンチ。

拳闘士のように軽やかなステップから威力のあるパンチが繰り出され、月影は防戦一方となっていた。

動きは見切れているが、勢いのあるラッシュに反撃をする隙が見つからない。

後退しつつ守る月影は砂に足をとられてよろめく。

そこをTOMの左フックが脇腹を強打した。

「うっ……」

よろけた隙に右ジャブ左ストレートが立て続けに顔面にヒットする。

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