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闇の王と光の騎士

第9章 暴君王のスピーチ

ミーカは脚を掴んだまま身体を捻ろうとする。

「このっ!!」

そのまま捻られれば脚の間接が危ない。

力の限り霧里は脚を振り抜く。

「うわっ!?」

その勢いでミーカはふるい落とされた。

「やるなぁ……お姉ちゃん」

ミーカはニヤリと笑い、素早く人混みのなかへと逃げ込んでしまう。

「ま、待ちなさいっ!!」

慌てて追いかけようとするが相手は六歳の少女だ。
混み合う人々の足許をするすると潜り抜けて消えてしまう。

「ちっ……」

舌打ちと共に霧里は追跡を断念する。

国王の与えた任務終了までは、もうほんのわずかな時間しか残っていない。


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