
とあるホストの裏事情・完
第33章 将悟の憂鬱
「おう、さすがにもう酔いすぎだろ」
「あー、いじわるー。二人してなんだよー」
寝ころんだまま、ろれつが回らないような言い方で訴えてくる。
あぁもう可愛いなー。
なんなんだよこいつの破壊力はよー。
萌えまくりだわばかやろー。
「研斗は将悟のどこが好きなん?」
この一週間、ずっと心の中に留めていた質問を
氷悠が研斗に聞いてしまった。
「えー?どぉこが好きってねー」
「うん、教えてよ。そんなに将悟のこと好きな理由」
「いや、もう色々とはずいからいーって…」
恥ずかしいから、という嘘の理由で聞くのを拒否したけど
研斗はガチで答えそうだ。
「将悟はねぇ、」
「もーいーって…」
「俺の神様なのー」
「……は?」
「…っ、ぶっは…!!」
かみ、さま
隣で氷悠が息を殺して笑っているが、そんなこともう関係無い。
かみさま
研斗から発されたその二文字に、俺は戸惑うばかりだった。
「……な、んで神様…?」
「…おれのこと、きれいって言ってくれた、から……」
さすがの研斗も気恥ずかしいのか
最後の言葉が聞き取りにくかった。
けど、俺にはちゃんと聞こえる。
「きれい?お前、そんなこといったの」
「おれのね?裸見たときに、きれいって言ってくれた」
「…っ、うん…まぁ言った、な」
「え、だから好きなの?」
「俺のパートナーだよー。一生に一人の」
