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BL~中編・長編集2~

第1章 ~天使がくれた奇跡~

「え!?」

原本君にそう言って、僕は教室を出ようと扉に手をかけた。

「梓!! 俺、絶対行くから!!」

教室を出る直前、原本君は僕に向かってそう叫んだ。

ほんと、面白い人だなぁ。

「うん。 楽しみにしてるね。」

笑いながら振り返ってそう言えば、彼は嬉しそうに微笑んだ。

こんなに楽しいのは・・・・いつ振りだろう?


「梓があんなに笑ったのは・・・・いつ振りかな?」

「さぁ・・・もう、何年も見てなかった気がする。」

僕が出て行った後。 呆然としていた椿が口にしたのが、この言葉。

駿も、僕が笑ったことに驚いたみたい。

「はぁ・・・仕方ない。 あんたのこと、少しだけ認めてあげる。」

椿や駿の前でも、笑わなくなってたからね。

「少しだけだからね。 梓を泣かせたら、容赦しないから。」

「肝に銘じておきますよ。」

そんな会話が繰り広げられていたなんて、僕は知らなかったけどね。

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